守成円蔵のちいさな世界

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zoom RSS 時間は嘘をつかない。

<<   作成日時 : 2010/09/26 21:52   >>

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恩師の急逝。


何の病気かわからないまま入院して、あっという間に容体が悪くなり、あっけなく亡くなられた。あまりに早い死に、周囲はもちろんのこと、残された家族も呆然とするばかりのようで、いたたまれなかった。


棺の中だったけれども、その方に会うのは15年ぶりくらいか。僕はあまりに不出来な男で、生き様の中途半端さを暗に批判され、顔向けできずに過ぎてしまった時間が過ぎたままになってしまった。


現実をなかなか受け入れられない奥さん。見ていて痛々しいほどにやつれている。15年前の奥さんは、当然のごとく15年分若かった。15年前はまだまだはつらつした若さを持っていた、年の差夫婦。見るからに、この奥さんは愛されていたんだな、また、夫を愛していたんだな、と今になってもよくわかる。


学舎の卒業生や、同僚の先生がたも続々と集まる。15年の時の流れは、まざまざと見てとれる。すっかり肥え太ったり、生気を失ったり、あるいは頭髪を失った同級生(僕だって偉そうなことはいえない)。


15年前、見るからにスケベそうだったA先生は、15年たってもやっぱりスケベそうだった。老いてなお盛ん、か。

くたびれた山羊のようだったB先生は、もっと痩せた山羊になっていた。同僚を失った悲しみが、全身から漂っていた。そういえば、本物のヤギって、なんであんなに哀しそうな眼をしているのだろうか。

一番の親友だったというC先生が弔辞を読む。すっかりおじいさんの年齢なのに、その弔辞からはC先生が今も持っている若々しくてみずみずしい感性がにじんでいて、余計に涙をさそう。


時間は、嘘をつかない。各人が持っているある傾向は、そのまま(あるいは、より勢いをつけながら)持ち越されていくのだろう。それをまざまざと見せられて、恐ろしいような、いっそそこに身をゆだねてしまうべきなのか、むなしく抵抗してみせるべきなのか、複雑な気分になる。


祭壇には遺影とともに恩師の愛した洋酒が。僕もその酒でその夜を送ってみた。


高く大きな声でしゃべる人だった。にこにこして人を叱る人だった。その声を、思い出す。


こんな自分のまま、15年来た。やっぱりこのまま、また15年過ぎてしまうのだろうか?なんて考えて飲んでいたら、恐ろしくなってしまってすっかり悪酔いした。

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