これはアトピー患者&医師にも朗報

奈美悦子さんが昨年「掌蹠膿疱症」を発病して入院し、克服したということは知っていました。

この病気は、アトピーと同じく、死ぬわけじゃないけど難治性の皮膚病として有名です。
だから、どこでどうやって治療されたのか、私も大変興味がありました。

でも芸能人ということで、庶民には及びつかない高度な医療を受けたんだろうな・・・という憶測をしておりました。が、違ったようです。そこで、このニュース。
奈美悦子さんが病気克服、病院の人気で街も潤う…秋田

 秋田県由利本荘市の本荘第一病院に全国から患者が押し寄せている。乗り合いタクシーの路線が新設され、周辺ホテルもほぼ満室となった。治療を受けた女優奈美悦子さん(54)が病気を克服したとの話がテレビなどで取り上げられ、皮膚病患者の“駆け込み寺”となっている。

 同病院は医療法人が経営し病床数160。同市が指定する3救急病院の一つ。

 奈美さんが昨年1月に発病したのは、手のひらなどに発疹(ほっしん)が現れ、鎖骨や骨盤などに激痛が走る「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)性骨関節炎」。「診察券でトランプができるほど」多くの病院に通ったが、病名も治療法も分からず症状が悪化、仕事中に倒れもしたという。

 同病院の前橋賢医師をインターネットで知り、9月からビタミンの一種を投与されるなどの治療や生活習慣の改善指導を受けたところ、現在では痛みもほとんど消え、発病前と同じペースで仕事をこなしている。

 前橋医師は4月末に過労で倒れ、現在は静養中だが、免疫学の見地から40年近く皮膚病を研究し、アトピー性皮膚炎治療などにも定評がある。2003年暮れから同病院に勤務。月、火曜を県外の初診患者診療日としていた。

 今年1月、奈美さんが病気と治療についてテレビなどで告白。病院名が知れ渡ると、患者が続々と訪れた。

 病院は、JR秋田駅や秋田空港からは車で1時間ほどかかるが、2月は多い日で90人が来院。急きょ1日20人の予約制にしたが、患者は後を絶たず、2、3月の県外患者診察日前の日、月曜には、病院近くのホテルは前年比3~5割増でほぼ満室になった。秋田空港―由利本荘間の定期バスは不採算を理由に昨秋から廃止されたが、地元タクシー会社は「多くの需要が見込める」と、4月に同区間で予約制の乗り合いタクシーの運行を始めた。
         ◇
 金沢大皮膚科の竹原和彦教授は「副腎皮質ホルモン(ステロイド)軟膏(なんこう)による治療が一般的で、ビタミン投与は医学的根拠に基づいたものとは言えない。治療が難しいケースが多いが、無治療でも自然に改善する場合もある」と話している。

 ◆掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)=手のひらや足の裏に小さな赤い水ぶくれができ、痛みやかゆみが出る病気。悪化と改善を長年繰り返すことが多い。関節炎などを起こすこともある。原因は不明だが、免疫の異常が関与しているとみられ、アレルギーが悪化の要因の一つと言われる。
(読売新聞) - 5月25日14時39分更新


ちなみに、 ちょっと強引なようですが、喘息も含めたアレルギー疾患や皮膚病の多く(水虫など感染性のものを除く)は、病名や症状こそ違えど、実はいずれも「免疫疾患」または「神経疾患」が根にある、という考え方があります。ちょっと漢方に近い発想ですが。

私は当ブログのアトピーテーマで触れておりますように、アトピー性皮膚炎も免疫系統の異常が病気の根本原因であると考えています(自律神経の異常とも密接に関連するという意味で神経疾患でもある)。

記事中の前橋医師も「免疫内科」の部長。皮膚科じゃないところがミソなんです。私は、皮膚科の処方(ステロイド、プロトピックなど)では治せない→表面を取り繕うだけで体内の犯人を見逃しているから、むしろ将来的にひどいことになる・・・これが、いち患者である私の確信であります。皮膚科の処方で治癒することもあります。しかしそれは薬で治ったというより本人の自然治癒力が勝ったからと解釈すべきでないでしょうか。多くの皮膚病患者は、免疫力の低下により自然治癒力が損なわれているから結果として皮膚病にかかるのです(感染症は除く)。それでもアトピー患者は皮膚科へ行くし、そこでステロイドを出される仕組みになっているのです。それは免疫を上げる治療ではない。これが悲劇。奈美さんが「診察券でトランプ」というのも、おそらく皮膚科巡りが背景にあると見ます(奈美さんどうでしょうか)。

ちなみに、上記記事の竹原教授というのは、いわばステロイド治療の象徴みたいな人です。アトピー本でも、ステロイドで治そうというタイプの医者として有名。良くも悪くも。しかし、上の記事をみていると、掌蹠膿疱症にもステロイドで治療することがわかりますね。つまり、このお方とて治療手段としたらなんでもかんでも皮膚病にはステロイド、という構図が透けて見えてくるようです。証拠はないから「私には透けてみえた」ということでカンベンしてください。竹原氏を誹謗中傷するつもりはありませんので。

さて、前橋医師の治療内容を見てください。記事によると、ビタミン投与と生活習慣の改善をアドバイスするという、きわめてシンプルな治療内容です。シンプルすぎて竹原教授にはなかば非科学的扱いされていますが、特効薬のない以上は、妥当なやり方だと私も考えます。

ちなみに、私はこの秋田の病院までは通えない。入院も現実的でない。でも、私が通っている某皮膚科(反ステロイド派)でも、治療方法はこの秋田の病院と近いものです。ビタミン剤と抗アレルギー薬の投与(注射含む)+生活習慣改善(肉より魚、和食中心、洗濯や掃除方法の見直し、喫煙飲酒の見直し等)。おそらく大差ないと思います。つまり、秋田でなくても治療は可能なんだ、というところに希望を感じるじゃありませんか。

皮膚科医に限定すればこうした非ステロイドの立場の皮膚科医は大都市にすら数名しかいないと思われます。あまりにも少ない。そうした中、広報効果のある奈美さんの一件は皮膚病患者に朗報です。アトピー含む皮膚疾患・アレルギー疾患に対して、非ステロイド派の皮膚科が増えたり、(免疫内科のような)内科等からの新規参入が増えることを願っています。

アレルギー科や内科のお医者さん、ビジネスチャンスでもあるんですよ!もっと免疫サイドから皮膚病にアプローチしてください!潜在的患者はものすごくいるはずです!

なんということか、前橋医師は過労で倒れているとのこと。回復を祈るばかりです。これも報道のなすダーク・サイドなんでしょうか。当然、一人では力が足りない。難しい治療方法でなし、もっと多くの医者に立ち上がって欲しいと思います。

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この記事へのコメント

ジェームズ先斗
2005年05月26日 22:41
兄貴の荒い鼻息が聞こえてきそうな文章。

さて「ビタミン投与と生活習慣の改善ときわめてシンプルな治療内容」ということだけど、それにすら、たどり着くまでに診察券でトランプできる位(って50軒以上かよ!)医者めぐりしたのか・・・そこに構造的な問題があるよね。不毛だよな。

ビタミン剤は薬じゃない。薬を売らんと儲からない。医者もメーカーも。と、いうことになるのか???!!!
円蔵
2005年05月27日 12:47
その通りじゃないか?
厚生省もかんできて、医・官・業の強力タッグだ。
患者には自衛が必要だし、声を上げることが欠かせなくなってきていると思う。奈美さんの本もそういう声になっていると思うし、読んでみようかな。
yosi
2006年11月29日 17:05
ここの記事を多くの人に読んでもらいたいと思いリンクをはらせてくださいませ。よろしくお願いします。

yosicl@hotmailcom
円蔵
2006年11月29日 22:12
わざわざご連絡ありがとうございます。

役立つようでしたら光栄ですが、出来ればリンク先もお知らせいただけると幸いです。
2009年05月20日 14:38
前橋医師の治療で完治に近いです。(6か月より)
円蔵
2009年05月20日 15:34
おめでとうございます!

前橋医師、お元気に活躍されているのなら、なによりです。なお、私も(別の皮膚科医にて、しょうせきのうほうしょうではなくアトピーが)ほぼ完治してもう何年も経ちます。

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