食卓にみる、井の中の蛙…

我が家の味が世の中の標準だと…

…大人になるまで信じて疑わなかった料理。

僕にとって、それは「豚の生姜焼き」だった。実家のそれは、軽く塩コショウした豚肉をフライパンで焼いただけのもの。それが皿に乗って食卓に上ってくる。各自、別皿にとった生姜醤油につけて食べる。

肉はよく焼け、とばかりカチカチに焼き締まった豚肉。そいつにタダのショウガ醤油をつけて食べても、正直あんまり美味しくはない。だから、僕は昔からしょうが焼きというメニューは取るにたらないものだと思っていた。定食屋や食堂のランチで見かけても、あんなもん金払ってわざわざ外で食べる価値などないとさえ、思っていた。実際、生まれて30年近く、私は外でしょうが焼きを食べたことがなかった。唯一の例外は学校給食で出た「しょうが焼き」だったが、実のところそれは極薄切りの細切れ肉を使った、ただの肉野菜炒めでしかなかった。

そんな我が家のしょうが焼き、実は元来肉嫌いの母が勝手に頭の中で作り上げたしょうが焼きでしかなかったわけだ。「焼いた後に生姜」では、「しょうが焼き」という日本語に矛盾するじゃないか、そんなことは母は夢にも思わなかったらしい。

そんなことを言ったら、気づかなかったのは家人全員とも言えるが、幼少から言葉尻にうるさかった私は、なにか違和感を感じながら食べていた。しょうがで味付けして焼いてないじゃないか、これじゃあショウガ焼きではなくて焼きショウガではないか、と。

そもそもしょうが焼きというメニューは『男子高校生が好きな弁当のおかず』の上位に常連で君臨してきた。巷の食堂の定番メニューでもある。でも、我が家の味でいう限り、そんなに愛される味わいではないぞ…何かがおかしい…そんな風に思った私が、(近年ようやく!)ネットで調べ、外でも食べ、結論として生姜と醤油ベースのつけダレに事前に揉みこんた豚肉を焼くのが「しょうが焼き」だと、強引にスイッチさせた。

私の試作品を食べて母ちゃんがひと言。「ショウガ焼きって美味しいんだねえ」

それ以降、母の定番料理となりました。


もうひとつ、怪しい我が家のメニューが「フレンチトースト」。

これはいまだ本物を食べる機会がないから、何が本当かいまだにわかってない。あいにくフランス人の友人もいない。コンビニのパン売り場で見たソレは、厚切り食パンのごく表面に卵液をつけて焼いたらしいき薄い衣をまとっている。これが果して正解なのだろうか?こんなもんが旨いのだろうか?(←100円出して買ゃいいのに、買わない)

ウチのはというと、卵にたっぷりの牛乳とたっぷりの砂糖を使ってたっぷりの卵液を作る。それを保存容器に入れて、食パンを漬け込む。ダプダプの中に一晩漬けます。一晩経つと、すっかり液を吸ってパンの中心までしみこんでます。それを、バターを溶かしたフライパンで、焦げ色がつくまで表裏とも焼きます。それが我が家のフレンチトーストです。やわらかくて、甘くて、アツアツで、中まで汁気満点…で、個人的にはそれなりに旨いです。ところが、本当のフレンチトーストがどんなもんなのか、ぜんぜん分かっていないで食べている。

10年以上前に、中国内陸部で、西洋人がよく使うホテルを利用したことがある。そこに併設のレストランでフレンチトーストを注文したことがあって、出てきたそれは、一口大の三角形に刻んで油で素揚げした食パンが、甘い醤油ベースのたっぷりしたあんかけの中に浸かっているシロモノだった。かに玉にかかってる甘酢ダレが、もっとたっぷり量があって、酸味をくわえていない甘いタレ。あるいは、みたらし団子のタレをもっとゆるく、たっぷりさせたような。

…これはさすがにフレンチトーストとはいえないと思う。

…そして、期待にたがわず、不味かった。

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この記事へのコメント

kinta
2006年05月20日 01:24
ウチのフレンチトーストも似たようなもんです。
砂糖は控えめだし、一晩は漬け込まないけどね。
売ってるのもそんな感じじゃないかな?
けど、あんまり汁気たっぷりだと、
そのまま容器に入れて蒸し焼きにして、
「パンプティング」になりそう?

明日の朝食はフレンチトーストにしよう!!!
円蔵
2006年05月20日 19:09
似たようなもんでしたか!よかった。

考えてみると、一晩も漬けるのは翌朝の面倒臭さを回避し、かつよくしみ込ませるための私のやり方のようで。母は朝仕込みでした。

休日の朝食がフレンチトーストだったりすると、ちょっと優雅な気持ちになれます。
kinta
2006年05月23日 00:04
その日は朝ごはんはフレンチトースト、
晩御飯はしょうが焼きというメニューでした!

しょうが焼きは結構好き!
隠し味に某メーカーのだし入りソースを入れている。
これ、なかなか使えるよ。
円蔵
2006年05月23日 20:36
自分の書いたことが、とあるお宅のメニューに影響するとは思っても見ませんでした……偶然?それとも考える手間をスルー!?

結構、何でもいいんだけど何作ろっかなあ~と、献立を考えるの面倒臭いときってありますしね。

ソースには疎いのでダシ入りなどというものがあることすら知りませんでした。こんど見てみよ。
kinta
2006年05月25日 10:55
もちろん、考える手間スルーでございます。<晩御飯メニュー
もう、思いつかないんだもん。

ソースはココのメーカーの。
○ttp://www.oliversauce.com/index.htm

関東では入手しにくいのが難点。
お好みソースもウチはお○○くソースじゃなく、ココのをお取り寄せ。
もう、ブルドックには戻れない~(@_@)

円蔵
2006年05月25日 20:48
ソースって地域性が結構出るんですよね。

関西でブルドックはあまり売ってませんでしたし。イカリソースとかかな。↑オリバーも兵庫みたいですね。名古屋は名古屋で別の現地のソースが台頭してた記憶があります。広島ではカープソースってのに出合ったことがあります。

ところで最近「三ツ矢ソース」という渋いデザインの瓶に入ったソースを見つけたので、買ってみたくなりました。

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